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モルフ一覧(クレステッドゲッコー)

編集履歴

クレステッドゲッコーの多くの品種は多因子遺伝(ポリジェネティック)です。
よって潜性(劣性)、顕性(優性)、共顕性(共優性)、不完全顕性(優性)、超顕性(優性)等の遺伝パターンに当てはまらない事が多いです。

ですがダルメシアンやハーレクイン、ピンストライプのように遺伝パターンが存在する、とされているものもあります(劣勢等、どの遺伝パターンなのかは完全には解っていません).

モルフ名について

クレステッドゲッコーのモルフ名は基本的に

  1. ベースカラー
  2. パターンカラー
  3. モルフ
  4. レイト(系統)

となります。
ですのでクリーム色がベースで、ブラウンの柄のあるハーレクインで更にピンストライプが入っている個体はクリームアンドブラウンハーレクインピンストライプとなります

参考: クリーパー No.70 2014 石附

ベースパターン

ベースパターンは体の模様に関する品種です。

パターンレス

ソリッド(solid) パターンレス(Patternless)とは単色であり、後述するフレイム等の模様がないモルフになります。
ソリッドのベースカラーは、バックスキン(bucksukin)、オリーブ(olive)、チョコレート(chocolate)、ニア・ブラック(near black)、レッド、オレンジ、イエローがあります。
このような柄のない単色のパターンレスは、既に確立されたラインに色を追加するのに良いモルフです。

上記の画像では全体は写っていませんが、背部と側部、手足全て一色なのが解ると思います。

2019/06/30修正
模様のないモルフ名はSolidではなくPatternlessでした。
この記事の公開前からパターンレスをソリッドと記載している記事がネットにも書籍にもあることから、どこかでパターンレス->ソリッドという名前が変化した様です。

バイカラー

バイカラー(Bicolor)は二色の色があるモルフです。
全体的に柄はありませんが、背にわずかに濃い、時にはより明るい色をしています。
上記の画像は背が濃いバージョンです。

二色は通常レッド、オレンジ、オリーブ、バックスキンの組み合わせとなります。
いくつかのバイカラーは背にパターンのヒントになる柄を持っていますが、フレームのクリームは存在しません。

タイガー

タイガー(Tiger)は側部から背、反対の側部に掛けて虎柄のようなストライプが走るモルフになります。
上記の画像はベースカラーがオレンジと書かれていますが、非常にわかりやすい虎柄ではないでしょうか。

通常タイガーのベースカラーはレッド、オレンジ、オリーブ、バックスキンの何れかになりますが、以前はMoon Valley Reptilesにイエロータイガーのラインがあったようです(Yellow Tiger Crested Gecko Breeding Project | moonvalleyreptiles.com).

ストライプが非常に出ているタイガーはブリンドル(Brindled)、スーパータイガー(Super Tiger)、スーパーブリンドルズ(Super Brindles)と呼ばれることがあります。

フレイム(ファイア)

フレイム(Flame)は背にストライプが走るモルフになります。
タイガーとは違い側部にはストライプはなく無地になります。
背は通常クリーム色で背部がより白いほうが人気があります。

写真は側部に若干のパターンカラーがありますがハーレクインの項で説明しているように側部のパターンカラーが60%以下、且つ手足に殆どパターンカラーが見られない為フレイムに分類されていると思われます。

またフレイムはファイア(Fire)と呼ばれることがあります。

タイガーとフレイムのコンボモルフは可能ですが一般的には稀です。
ヤングの頃に見られるタイガーフレイムは、しばしば成長とともに消えてしまいます。

シェブロン

シェブロン(Chevron)はフレイム(ファイア)の中でも、背の模様がV字型のような模様が複数ステップある品種です。
この品種名は最近はあまり使われていませんが、このパターンの説明をするのに有効的な品種名です。

ハーレクイン

ハーレクイン(Harlequin)はフレイムの発展形です。
フレイムの特徴と、腹部から側部にフレイムのクリーム色が発色しており、尚且手足にもその発色が見られる品種になります。

手足の発色は重要であり、手足が発色しておらず側部のみ発色している場合はフレイムにカテゴライズされます。

エクストリーム・ハーレクイン

エクストリーム・ハーレクイン(Extreme Harlequin)は、白かクリームのパターンがベースカラーに対して60%ある場合、または側部の白・クリーム色のパターンが背にぶつかるような個体に付けられる品種名です。

エクストリーム・ハーレクインのヤング個体はタイガーに間違えられることが多いです。
アダルトでも混乱することがあります。

ドリッピー

ドリッピー(Drippy)は「滴る」という意味です。
ハーレクインの腹から背に向かってパターンカラーが出るのとは逆で、背から側部に「滴るように」パターンカラーが出ていきます。

ピンストライプ

ピンストライプ(Pinstripe)は多因子遺伝ではなく、独立した遺伝パターンと考えられています。
ピンストライプは一般的にフレイム、タイガー、ハーレクインのような外観ですが、遺伝パターンがあるので人気があります。

古くからあるピンストライプは背の外側に沿ってクリーム色が発色しています。
背の残りの部分はフレイムのパターンを表現したり、ピンストライプのクリーム色になります。

殆どのピンストライプはフレイムやハーレクインも表現していますが、稀にタイガーピンストライプもいます。

ダッシュドピンストライプ

ストライプが途切れ途切れになる場合があります。
ストライプが途切れ80%未満になった場合、ダッシュドピンストライプ(Dashed Pinstripe)と呼ばれます。

リバースピンストライプ

ピンストライプのストライプ部分がクリーム色に対して、リバースピンストライプ(Reverse Pinstripe)はストライプ部分が暗い色になります。

ファントムピンストライプ

ファントムピンストライプ(Phantom Pinstripe)はピンストライプが表現されており、尚且背のパターンが無いものを指します。
「ピンストライプは一般的にフレイム、タイガー、ハーレクインのような外観」と前述しましたが、背の部分にパターンがないものを目指して選択繁殖されています。

ラテラルピンストライプ

ラテラルピンストライプ(Lateral Pinstripe)は側面にストライプが表現されるモルフです。

ダルメシアン

ダルメシアン(Dalmatian)は犬のダルメシアンのように、黒いスポットがまばらに点在するモルフになります。
ダルメシアンも多因子遺伝ではなく単一の遺伝子と考えられており、共顕性(共優性)遺伝するという説もありますが現時点ではハッキリとはしていません。

スポットの大きさは小さいスポットから大きいスポットまであり、スポットの数も均一ではありません。

黒いスポットが一般的ですが、赤、緑、さらには白いスポットが現れる個体もあります。

ダルメシアンのスポットはどんな色でもどんなモルフには現れます。
しかし多くのブリーダーは他のパターンが無く、ダルメシアンだけの個体を目指しています。

逆にスポットの無いクレステッドゲッコーは「クリーン」とみなされます。

スーパーダルメシアン

共顕性(共優性)遺伝すると考えているブリーダーは非常に多くのスポットがある個体をスーパー体であると考え、スーパーダルメシアンと表記することがあります。
一般的にスーパーダルメシアンと表記するには100以上のスポットが必要ですが、ちゃんと数えて表記する人はおそらく皆無であり、見た目で判断されています。

ホワイトスポット

ホワイトスポット(White Spot)はクレステッドゲッコーが繁殖されて以来、共通して見られる小さな白い斑点です。
肢や指、胸部、腹部または鼻に見られます。

これらは遺伝される形質ではなく、成長過程における色素沈着が上手く働かなかった結果である可能性があります。
白いポートホールがいくつかのヤモリの唯一の白いスポットである理由かもしれません。

凄く解りやすく撮られた投稿を見つける事が出来なかったのですが、側部のパターンカラーの中に白い点があるのが解るでしょうか?

リリーホワイト


lilly-white

追記 : リリー・ホワイトの作出元の記事を翻訳しましたので、リリー・ホワイトのより詳しい情報は[翻訳] リリー・ホワイト プロジェクトを参照して下さい。

リリーホワイト(Lilly White)は共顕性(共優性)遺伝するモルフとされています。
ダルメシアンも共顕性(共優性)と考えているブリーダーが多いですが未確定の中、リリーホワイトはクレステッドゲッコーでは初めて共顕性(共優性)が確定しているモルフと言われています。
ただしスーパー体は致死遺伝とされているので、リリーホワイト同士の交配は推奨されません。

ただしホモ接合体で致死=共顕性という図式は成り立たない為、本当に共顕性(共優性)なのかは不明となります。
遺伝パターンについて詳しくは優性の法則と拡張のまとめを参照してください。

白いパターンカラーがより白くなり、特に尾の白さはクレステッドゲッコーの中で白眉です。

また、低確率(10%前後)で神経障害で出る事が報告されているようです。

こちらは選択交配で白い部分を広げていったリリーホワイトです。

ベースカラー

クレステッドゲッコーには非常に淡いクリーム色から非常に暗い黒色、バックスキンやオリーブからレッドやイエローまで多くのカラーが存在します。
一般的には高コントラストの鮮やかな色が望ましいです。
また極端な明暗のある色も人気があります。

完全なホワイトとブラックについて

古い書籍や雑誌で宣伝されている純粋な白いムーングロー(Moonglow)は存在しません。
一般的にムーングローと呼ばれているのはレッド、イエロー、クリームのダウンバージョンです。
カメラのフラッシュは更に色を白く撮影する事が出来ます。

また、完全な白と同様に完全な黒は現在は存在しないことに注意してください。

体色の変化について

クレステッドゲッコーは気分や環境によって大きく体色を変化させます。
これは一般的にファイアアップの段階によって説明されます。

体色が上がっている状態をファイアアップ、逆に上がっていない状態をファイアダウンと言います。

通常、眠っているヤモリはファイアダウンされ、夜は暗い色調に色が代わります。
常にファイアアップされない、またはファイアダウンしない個体が居ても病気などではありません。
それは個体のユニークな性質の一つです。

ファイアアップには多くの要因があり、必ずしもヤモリが怒っていたりストレスを感じていたり、不快感がある訳ではありません。
擬態を助けたり、他のヤモリとコミュニケーションしたり、行動状態を示したり、湿度・匂い・光など特定の刺激に対する反応に過ぎない事があります。

レッド、オレンジ、イエローがファイアアップすると通常より鮮やかになります。

暗い色がベースのヤモリは通常、茶色、黄色、灰色になります。
これらは時々ムーングローまたはラベンダー(Lavender)と呼ばれ、本島のカラーが何なのか議論の余地があります。

クレステッドゲッコーの真のファイアアップの色を撮影するための一般的な方法は、クレステッドゲッコーをデリカップに入れて、軽く霧吹きし、約15分暗い場所に置くことです。また興味深いことに、特別な電球や直射日光、ガラスを通ってフィルタリングされていないUVBはよりファイアアップさせ激しい色を表現させることがあります。

バックスキン

バックスキン(Buckskin)はベージュ色になります。
最もワイルドに近い色になります。

バックスキンはとても明るい色のモルフと組み合わせるとき、大きな効果のあるコンビネーションモルフと証明されています。
この組み合わせが成功すると、バックスキンは明るい色を増幅するように見えます。

クリーム

クリーム(Cream)は通常、オレンジ・フレイムでもあります。
クリーム・オレンジ・ハーレクインもよくあります。

ブロンド


blonde-harlequin

ブロンド(Blonde)はピンストライプの有無に関わらず、暗いフレイムとなります。
暗いベースカラーの場合、クリームと非常によく似ています。

日本ではダーク&クリーム(Dark & Cream)という呼称で流通している様です。

恐らく、ダーク&クリームという呼称は日本固有の物ではないかと思われます。 海外サイトでは*Dark*とかで探しても見つからないです。

モルフマーケットでもダークという品種名が使われている事を教えて頂き修正しました(2018/09/13).

ハロウィン

ハロウィン(Halloween)はオレンジと暗いベースカラーのハーレクインです。
ベースカラーがより暗ければ暗いほど良いとされます。

暗いベースカラーとブロンド、クリームはハロウィンとは呼ばれずオレンジのみになります。

トリカラー

トリカラー(Tricolor)は三色のハーレクインになります.
一般的にはクリームを加えたハロウィンですが、レッドやイエローもあります。

モカアンドクリーム

モカアンドクリーム(Mocha and Cream)は一般的には褐色で、クリームの模様があります。
オレンジやブロンドはありません。

クリームオンクリーム

クリームオンクリーム(Cream on Cream)は明るいベースカラーとクリーム色の背の非常に稀な組み合わせです。

参考文献