ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の飼育は他の爬虫類に比べると難易度は低いと言えるでしょう。 爬虫類の中では数少ない、飼育方法の確立された種と言えます。
とはいえ不適切・不衛生な環境では病気や怪我をしてしまいます。
本稿では飼育に必要な物、不必要な物の紹介をさせて頂きます。 また日々の世話や給餌の頻度、健康の維持、美しい体色の維持の方法も記載しています。
飼育に必要な物
ヒョウモントカゲモドキの飼育をする上で一般的に必要な物は以下になります。
- ケージ
- 床材
- 餌
- ピンセット
- 水入れ
- シェルター
- 粉末カルシウム
- 保温器具
- 温度・湿度計
- サーモスタット
各器具や餌についての詳細を下記していますのでご覧下さい。
おおよその予算
ヒョウモントカゲモドキを飼育するのに必要な器具を買った場合、大体どのくらいの予算が必要かを記載しています。 これらは専門店やAmazonで買える、一般的な物を参考にしています。
器具名 | 値段 |
---|---|
ケージ | 3,000円 ~ 5,000円 |
床材 | 100円 ~ 1,000円 |
餌 | 500円 ~ 1,000円(月) |
ピンセット | 500円 ~ 1,000円 |
水入れ | 100円 ~ 1,000円 |
シェルター | 100円 ~ 1,000円 |
粉末カルシウム | 700円前後 |
保温器具 | 2,000円 ~ 4,000円 |
サーモスタット | 3000円前後 |
温度・湿度計 | 500円前後 |
これらを合計すると、おおよそ1万円前後になります。
不要な物
照明器具や紫外線灯は不要です。
爬虫類の飼育にはよくホットスポット用の照明器具や、紫外線灯が必要と言われています。 ですがヒョウモントカゲモドキは夜行性ですので、これらはむしろストレスになってしまいます。
紫外線によるビタミンD3の生成もヒョウモントカゲモドキには不要となります。 その代わり粉末カルシウムやビタミンも添加されている粉末カルシウムを餌にまぶしたり、小皿に置いて自分で舐める事で補うようになっています。
特にアルビノ系のモルフは強い光がストレスとなりますので、観賞用に照明を付ける場合でも必ずシェルター等で光が当たらない場所を作ることが必要になります。 詳細は後述していますがヒョウモントカゲモドキは明るい場所で飼育すると発色が悪くなってしまうので、なるべく薄暗い場所で飼育した方が良いと言えます。
追記: 海外ブリーダーの記事に「白いケース、白いシェルター、白い床材(キッチンペーパー)を使用し、暗い場所で飼育する事で色が良くなる」とあり実践してきましたが、常に暗い場所で長期間飼育すると拒食症になる個体が出てきました。 日中は明るい場所で飼育するようにして1~2日で餌を食べ始めたので、常に暗い場所だと何らかの問題があるようです。
追記 2019/04/22 : 追記で書いた海外ブリーダーは白人ですので、日本人よりも虹彩のメラニン量が少ないと考えられます。 なので彼らの言う「薄暗さ」は、虹彩のメラニン量が多い黒目の日本人にとっては薄暗さを感じない可能性が高いです。 よって「通常の室内の明るさ」が必要で、且つ透明〜半透明のケージを使い、ケージ外の様子も見られるようにするのが良いと考えられます。
ケージについて
ヒョウモントカゲモドキの飼育によく使用されているレプタイルボックス
注意: 上記写真では床材に砂を使っていますが、筆者は現在砂系の床材を使用していません。
ヒョウモントカゲモドキには大きなケージは必須ではありません。一般的なヒョウモントカゲモドキは幅X奥行X高さ:20×30×16cm
で終生飼育可能とされています。多くの方がレプタイルボックスというアクリル製のケージを選択されているのではないでしょうか。
ゴジラと呼ばれる血統や、ジャイアントというモルフは一般的なヒョウモントカゲモドキよりも体長が大きくなるのでこの限りではありません。
ヒョウモントカゲモドキは立体活動をせず、ニホンヤモリと違い壁を這う事もないので高さは然程必要ないとされています。
但し大きなケージ(空間)がヒョウモントカゲモドキにとって問題になる訳ではありません。 大きなケージを使ってヒョウモントカゲモドキの動きを観察したり、現地に近いレイアウトを組んでヒョウモントカゲモドキの生態を観察する楽しみも素晴らしいものです。
ですが大きなケージの場合、その分空間が広くなるので適切な温度管理が小さいケージよりも難しくなりますので注意して下さい。 また、勿論のこと小さすぎるケージは生体にとって悪影響があると考えられます。
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SANKO レプタイルボックス
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飼育温度について
ヒョウモントカゲモドキは低温〜高温に強いですが低温部を25℃、高温部を30℃を目安に温度勾配を付けて下さい。 25℃以下になるとヒョウモントカゲモドキは冬眠しようとしますし、変温動物なので餌を上手く消化出来なくなってしまいます。
また長時間高温下に置かれると脱水症状などで最悪死に至ります。 この様な事故を防ぐために、サーモスタットを是非導入する事をおすすめします。
追記 2019/04/22
温度勾配については賛否あり、筆者の掛かりつけの獣医によると温度勾配をつけるよりもケージ全体を必要な温度管理したほうが良いとの話でした。 理由は高温部をヒョウモントカゲモドキが必ずしも気に入る訳ではないので、必要な温度が提供出来ない可能性があるからとの事です。
但し、多くの方が温度勾配を付けて問題なく飼育出来ている事も確かです。 温度勾配を付けるなという意図ではなく、飼養個体をよく観察してケージ全体を28~30度にする方法も考慮して下さい。
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飼育湿度について
ヒョウモントカゲモドキは元々は乾燥した地域に生息していますが、湿度が高くても問題はありません。 岩陰や土を掘って生活していた事を考えると、湿度の高い場所を好んでいたと考えられます。
むしろ湿度が低いと脱皮不全が起こってしまうので、水苔を入れている方も居ます。
ただし温度と湿度が高いと雑菌が繁殖し易いので、日々清潔な環境を維持する様にして下さい。
多頭飼育について
Photo By iori@geckoholic 2018-11-07
基本的にはヒョウモントカゲモドキの多頭飼育はおすすめ出来ません。
しかしメス同士、またはオス1匹に対して2匹以上のメスであれば可能となります。 オスとメスを同居させていると交尾をし、繁殖してしまうので繁殖目的でなければするべきではありません。
明るさについて
何度か前述していますがヒョウモントカゲモドキは夜行性で、野生化では昼間は岩陰に隠れています。 照明・紫外線灯は不要でむしろストレスになります。 特に夜間はしっかりと暗くして上げて下さい。
温度を上げたい場合は照明以外の器具を使用して下さい。
観賞用にどうしても照明を付けたい場合は、鑑賞時のごく短い時間のみ利用刷るようにして下さい。
追記
海外ブリーダーの記事に「白いケース、白いシェルター、白い床材(キッチンペーパー)を使用し、暗い場所で飼育する事で色が良くなる」とあり実践してきましたが、常に暗い場所で長期間飼育すると拒食症になる個体が出てきました。 半年近い拒食をしていた個体も日中は明るい場所で飼育するようにして1~2日で餌を食べ始めたので、常に暗い場所だと何らかの問題があるようです。
ですが専門の紫外線灯や証明が必要という訳ではなく、人間が生活する上で必要な窓からの日光や照明があれば十分です。 またシェルターはやはり必要でしょうし、直射日光は避けたほうが良いと思われます。
ケージの設置場所について
ケージの設置場所は子どもやその他の犬猫等のペットの手の届かない、安定した場所に置いてください。 またTVの横などよりは、なるべく静かな場所が良いでしょう。
窓際などの直射日光の当たる温度差のある場所ではなく、直射日光が当たらない温度差の少ない場所を選んで下さい。
床材について
床材は様々な物が使用されており、一概に「これがもっとも良い」と言えない状況にあります。 大きく分類すると以下のような材質があります。
- 砂系
- 土系
- キッチンペーパー
- ペットシート
砂・土系の床材について
砂や土系は見た目も良いですし、厚くひく事でヒョウモントカゲモドキが砂を掘りストレス解消になると言われています。 ただし給餌の際に誤飲してしまい、誤飲した砂・土が蓄積されて死に至る可能性があります。
また砂や土は気軽に全部取り替える事が出来ないので、衛生面が心配になります。 砂や土を使用する場合は給餌の際の誤飲に気をつける必要があります。
ペーパー・シート系の床材について
ペーパーやシート系を床材に使う場合のメリットは、なんと言っても床材を気軽に全部取り替える事が出来る点です。 これによりケージ内を清潔に保つ事が容易になります。 特に中〜大型の蜥蜴・蛇を飼育している場合は大量の糞をするので、こちらを利用している方が多いです。
ヒョウモントカゲモドキでも特に問題はなく、海外ブリーダー等もシートを使っているのがYouTubeの動画で確認出来ています。
よく「自然下にペットシートなんて存在しないのでペットシートを使うのは虐待である」という事を仰る人がいます。 ですが砂や土にも、ペーパーやシートにもそれぞれメリットとデメリットがあります。 それぞれのご自宅の環境や飼育者の事情の上で、最適だと思う物を選択して下さい。
ヒョウモントカゲモドキの飼育とは関係ありませんが、床材についてはインターネットでよく炎上する議題となります。 多くの飼育者が皆さん異なる環境で、「自身の飼育環境では最適」と考えた床材を選択しています。
よって「〜は駄目」という発言はなるべくしないほうが良いでしょう。
餌について
ヒョウモントカゲモドキの餌は、日本では多くの方がコオロギを選択されています。 他にもミルワーム、ジャイアントミルワーム、ハニーワームなどのワーム類、人工餌のグラブパイやレオパゲルがあります。
カルシウムについて
カルシウムが足りない状態が続くと、ヒョウモントカゲモドキはクル病という病気に掛かってしまいます。 これは一度発症したら治らない病気ですので、カルシウムを添加は必須となります。
カルシウム粉末をケージ内に入れておくとヒョウモントカゲモドキは自分で舐める場合もあるので、餌にまぶす+ケージ内に小皿に盛ったカルシウムを入れておくといいでしょう。
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コオロギについて
日本で発売されている飼育書の多くではコオロギをおすすめしています。 コオロギがおすすめされている理由としては、ワーム類に比べて栄養バランスが優れているとされているからです。
具体的にはワーム類よりもカルシウムが多く、脂肪が少ないとされています。 しかしそれでもコオロギのみではカルシウムとリンのバランスが悪く、粉末カルシウムをコオロギにまぶして給餌するのが一般的です。
生きたコオロギが一番栄養状態が良いですが、生きたコオロギを維持するのはヒョウモントカゲモドキの100倍ほど手間が掛かります。 生きたコオロギしか食べない個体の場合は仕方がありませんが、そうでない場合は冷凍コオロギ+カルシウムでも問題ないでしょう。
冷凍コオロギの場合、解凍してピンセット給餌させるのが一般的です。 置き餌でも食べる個体は居ますが、置き餌だと認識しない個体も多いです。
ワーム類について
ワーム類はコオロギよりも更にカルシウムとリンのバランスが悪いとされており、粉末カルシウムは必須となります。 またコオロギよりも脂肪分が多いので、日本では嫌厭されがちです。
とは言え、海外のトップブリーダーはミルワームで終生飼育している方が多い様です。
昨今では人間の場合、脂肪を経口摂取してその脂肪がそのまま脂肪として身体に付くわけではなく、むしろ炭水化物が脂肪になりやすいという事が周知されてきました。 ヒョウモントカゲモドキは人間と違い、(ワーム類の)脂肪がそのまま脂肪になるのか?は現在まだ解っていないと思われます。
ただしワーム類は消化に悪いとされているので、ワーム類をメインで与える場合は高温で飼育して下さい。 具体的には30度以上33度以下のホットスポットをケージ内に作って下さい。
筆者個人の考えとしてはワーム類でも問題ないのでは?と思っていますが、ヒョウモントカゲモドキにとってコオロギがデメリットがある訳ではありません。 餌は飼育者の環境によって選択して下さい。
ミルワームの安全性について
定期的に「ミルワームは爬虫類にとって害である」という話がSNSで話題になりますが、ミルワームの使用は問題ないと筆者は考えています。 詳しくは以下の記事を参照して下さい。
カルシウム値がデュビアに次いで最低ですのでカルシウムの添加を絶対に怠ってはいけない餌ですが、よく耳にする「ミルワームを与えるとカルシウム不足になるから虫を与えるなら○○」という論調でミルワームを毛嫌いできるかといえば違います。調べた限り、どの昆虫であってもカルシウムは不足するのですから。
(省略)
特筆すべきはその圧倒的な消化率で、90%を超えています。ミネラルとビタミンに気を配っていれば、栄養バランスが良く消化吸収率も素晴らしい万能餌と言えるのでは。
出典: とある獣医の豪州生活Ⅱ http://happyguppyaki.hatenablog.com/
人工餌について
最近はヒョウモントカゲモドキに使用できる人工餌が発売されています。 具体的には以下のような商品があります。
- グラブパイ
- レオパゲル
こちらは発売元はこれらの餌だけで終生飼育可能としていますが、まだ発売から数年ですので実際に終生飼育されてた例は無いと思われます。 恐らく問題ないと思われますが、日々ヒョウモントカゲモドキを観察して
また人工餌を食べようとしない個体は意地でも食べないです。
人工餌を食べていた個体が、ある日から全く受け付けなくなる事もあります。
この様な例は人工餌だけではなく、コオロギでもワームでも在り得ます。 コオロギを食べなくなった個体が人工餌を食べた、という例もあります。
虫が苦手な方が多いと思いますが、人工餌に餌付いている個体でも上記のような例がありますので、食べなくなったら虫を扱うかもしれない、という事はヒョウモントカゲモドキの購入前にご理解下さい。 人工餌じゃなければ、虫を一切扱えなければ飼育が出来ない場合はヒョウモントカゲモドキの購入を見合わせて下さい。
参考商品
レパシー (REPASHY) スーパーフード グラブパイ ペット用 170g
ヒョウモントカゲモドキの好みではない餌を強制しない
飼育が確立されているとは言っても、餌に関しては人工餌をずっと食べてくれる個体も絶対に食べようとしない個体もいます。
我々人間には理解し難いのですが、爬虫類は気に食わない餌は餓死してでも食べようとしません。
コオロギが良い、ワームが良い、人工餌が良いという議論はとても素晴らしい事ですが、ヒョウモントカゲモドキがその餌を食べようとしない事がある、または急に食べなくなる事があるのを覚えておいて下さい。 飼育者がコオロギ(やワーム)を食べさせたいとしても、まずはヒョウモントカゲモドキが食べてくれる餌を食べさせるようにして下さい(ワームを食べさせたいが、どうしてもワームを食べないならコオロギを試してみる。など)。
給餌の頻度
ベビーからサブアダルト(50g前後)までは毎日食べるだけ与えて下さい。 毎日食べたいだけ食べさせる事で、より美しく健康な個体となります。
アダルトになったら、週に2〜3回で問題ありません。
水入れについて
ヒョウモントカゲモドキを始めとした爬虫類は、よく水入れに糞をしてしまいウンコ水と呼ばれます。
ヒョウモントカゲモドキの飼育環境は25~30℃で湿度もそれなりに高い筈ですので、雑菌が繁殖しやすいと考えられます。 出来れば水入れの水は毎日交換し、水入れに糞をしているのを発見したらなるべく早く掃除して上げて下さい。
ヒョウモントカゲモドキは同じ場所で糞をする習性があるので、水入れの場所を変えると水入れに糞をしなくなる可能性があります。
シェルターについて
シェルターはヒョウモントカゲモドキが身を隠すのに必要なものです。 自然下と違いケージ内には天敵などは居ませんが、薄暗い場所を好むので室内の照明光を遮りヒョウモントカゲモドキにとって快適な明るさの場所になります。
また元々岩陰など狭い場所に身を隠す習性がありますので、狭く暗い場所がないとストレスになり拒食に繋がる可能性があります。
シェルターは素焼きの水を入れられるタイプが一般的で、サイズも3種類ほどあります。 水を入れる事で素焼き部分に水が染みてある程度の湿度を保つことも出来ます。
ですが素焼きはカビ易いので定期的な掃除と、カビが出来てしまったら交換をおすすめします。
また上記の素焼きシェルター以外の物も工夫して使用可能です。
カルシウムについて
ヒョウモントカゲモドキはカルシウム不足が続くと「クル病」という病気になってしまいます。 クル病は一度発症すると治ることがなく手足、背骨、腰骨など、体の部分の骨が変形してしまいます。 四肢が曲がって歩けない、腰が曲がって歩けない、口が開いたまま閉じない等の症状を起こしてしまいます。
餌の項目でも触れましたが、ヒョウモントカゲモドキの餌となるコオロギやワーム類はカルシウムに対してリンが多くそれを補う為にカルシウム粉末を使用します。
コオロギやワームにカルシウムを混ぜる他、小皿にカルシウムを盛っておけばヒョウモントカゲモドキが自分で舐めると言われているのでこちらも容易すると良いでしょう。
保温器具について
ヒョウモントカゲモドキは18度以上あれば餌を食べると言われています。 また高温にもある程度の時間は強いです。
ですがこれ等は「耐えられる」という意味であり、ヒョウモントカゲモドキにとって最適な温度とは言えません。
ケージ内の低温部が25度、高温部が30度になるように温度勾配を付けて下さい。 ケージ内の奥の1/3~1/2だけパネルヒーターをひくなどで温度勾配を付けることが出来ます。
ヒョウモントカゲモドキ*に使用出来る一般的な保温器具は以下のような商品があります。
- パネルヒーター
- 暖突
エアコン等で室温が常に25度前後あるならば、ケージの1/2前後だけにパネルヒーターを敷くことで高温部を作ると良いでしょう。 寒冷地で室内をエアコン等で管理出来ず、室温が25度を下回る場合はパネルヒーターの他に暖突を設置する、ケージに発泡スチロールやスタイロフォームを貼り付けて保温効果を上げるなどの工夫が必要になります。
またケージ内全体が常に33度を超えるような高温下にヒョウモントカゲモドキが晒され続けると、脱水症状から死に至る可能性があります。 こういった事故を防ぐために、サーモスタットの導入をおすすめします。
サーモスタットの多くは温度設定をダイヤルで調整するので、ふとぶつかった事で温度調整がズレる事があります。 それに気が付かないと事故に繋がるので、ダイヤルはこまめにチェックした方が良いです。
またサーモスタットの故障による温度の異常という事故も有り得るので、サーモスタットとは別途温度計を設置する等をおすすめします。
ヒョウモントカゲモドキの体色を維持する
ヒョウモントカゲモドキは様々な体色のモルフが存在します。 白、オレンジ、赤、黄、などの鮮やかな体色や、野性味溢れるものまで様々です。
ですがヒョウモントカゲモドキは飼育環境によって、体色がくすんでしまう事があります。 この項ではヒョウモントカゲモドキを健康に、体色を鮮やかに飼育する為のポイントをまとめています。
前述したものと被る点も多いですが、ご一読下さい。
温度管理について
ヒョウモントカゲモドキの飼育に最適な温度は25~30度とされています。 しかし30度に近い温度で飼育する事で、より鮮やかな体色で成長します。
赤はより濃く、白はより白く、黄色はより鮮やかになります。 逆に低温で飼育するとくすんだ色になり、特にアルビノが入ったモルフはそれが顕著で赤いスポットは茶色く、白はグレーがかってしまいます。
ですが何度も触れている通り、ケージ全体が常に30度を超えるような環境では脱水症状から死に至る可能性があります。 あくまでホットスポットが30度を超えており、低温部は25度前後を保つようにして下さい。
周囲の色について
ヒョウモントカゲモドキは周囲の色が暗いと体色も暗くなると言われています。 よって、床材はなるべく明るい色の物を使用するのが発色を良くするポイントになります。
床材の選択は「床材について」という項を参考にして下さい。
脱皮不全対策
ヒョウモントカゲモドキは脱皮をします。 脱皮する際は皮を自分で脱ぎ食べてしまうので、タイミングが合わないとあまり見る機会が無いかもしれません。
湿度が不足したりすると、上手に脱皮出来ない場合があります。
ヒョウモントカゲモドキの脱皮不全を防ぐには、湿度と引っかかる場所が重要です。 湿度は毎日霧吹きをし、水苔や素焼きシェルターで補う事が出来ます。
また素焼きシェルターはヒョウモントカゲモドキが脱皮をする際に身体をこすりつけ、脱皮をしやすく出来るものにもなります。 素焼きシェルターでなくても、ヒョウモントカゲモドキが怪我をしないようなものであれば良いでしょう。
脱皮不全による怪我
ヒョウモントカゲモドキの脱皮不全は特に指先に皮が残ってしまう事が多く、そのまま放置すると指が残った皮で圧迫されて爪や指先が無くなってしまう事があります。
もし脱皮不全をしてしまった場合はぬるま湯で数分皮をふやかし、綿棒などで皮を取ってあげて下さい。 あくまでも残った皮をふやかすことが出来れば良いので、ヒョウモントカゲモドキが溺れるような水量はいりません。
日々の世話
ヒョウモントカゲモドキ*の日々の世話は基本的に以下になります。
- 給餌
- 糞の掃除
- 水の交換
どんな床材を使用するか?にもよりますが、定期的に以下の世話が追加して必要になります。
- 床材を全て取り替える
- 床材を取り出し、ケージを丸洗いする
- シェルターの掃除
清潔な環境
ヒョウモントカゲモドキも動物ですので、糞まみれの環境では病気になりますしストレスが溜まります。 毎日決まった時間に糞を取り水を新しい物に変えてあげましょう。
糞の最近が水入れや餌入れで繁殖している可能性もあるので、可能な限り毎回水入れや餌入れは交換して洗ったほうが清潔な環境を保つことができます。